こちらは50年ほど前に製造されたヤマハのU1です。
お客様からクリーニングの依頼を受け綺麗にしました。
このピアノを開けてビックリしたのは上前板の内側に
電球のソケットが2個取り付けられていて、さらに
下前板を開けてみると、底板にも1個付いていて
合計3個の電球ソケットがピアノの内部にありました。
こんな物が取り付けられているのは今だかつてありませんでした。
さすがに電球は取り除かれていましたがソケットから伸びる
コードが3本と延長コードまでありました。
何故そんなものがピアノの内部に取り付けられているのかを
考えたところ、恐らく以下のような理由だと考えられます。
ピアノが設置されたのは海辺の家だったそうなので、湿気対策で
取り付けられたのではないでしょうか。
今だと湿気対策グッズとしてダンプチェイサーやドライエルと
いった、棒に通電して温度を上げ湿気を取っていくものが
あるのですが、当時その様なものが無かったか、あったとしても
アメリカ製で高価だったのか、とにかく身近に手に入るもので
無かったのでしょう。
そこで調律師は考えた末に電球を取り付けることを
思いついたのでしょう。電球の発する熱により同じような
除湿効果を狙ったものと推察されます。
確かに電球は点灯すれば熱を帯びますし、それにより付近の
空気が熱せられ乾燥し、ピアノの内部で空気が対流することに
よりピアノ内部は除湿されると思います。
ただ若干、安全性に疑問符が付くように思いますが、
どうなんでしょうね。
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それにしても、古いピアノを触ると先人たちが苦労して
作業した痕跡を見ることが出来ますので、勉強になります。
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