今日は鍵盤のがたつきやぐらつきの修理に関するお話をひとつ。
鍵盤には中央部と手前側に穴が開いていて、その穴の両端に
羊毛で織られたクロスが貼られています。これをブッシングクロスと
いいます。このクロスにより適度なタイト感を出すことが出来、
適度な遊びも作り出すことが出来ます。
これにより、鍵盤がぐらつかずにスムーズかつ適切に運動する
事が出来ます。しかし、このブッシングクロスが虫食いなどに
やられてしまうと、鍵盤の遊びが大きくなりすぎてぐらつきや
がたつきが出来てきてしまいます。
そうするとブッシングクロスを貼りかえるしかなくなってきます。
お客様からお預かりしたこの鍵盤もその様な状態になって
いますので貼りかえたいと思います。
まずは手前のいわゆるフロントブッシングクロスから剥がして
いきましょう。しっかり接着されているので蒸気をあてて
剥がしていきます。
剥がすとこんな感じです。
剥がしたブッシングクロスです。きれいな状態だと一面赤色の
美しい表面をしていますが、これを見ると表面は食われてしまい
白い横糸などが見えてしまっています。
この作業を88本の鍵盤全て行います。
続きの作業はまた報告します。