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リセール価値も見据えた個体選び。具体的に3本選抜

この数年、天井知らずの高騰が続いたヴィンテージウォッチだが、ここのところ、だいぶ落ち着きを見せていて、市場価格は横ばいの傾向にある。

「ほかのヴィンテージウォッチと比べると、ミリタリーウォッチは比較的安価で手に入れられる個体が多いのも魅力です。オークションの競売などの影響をそこまで受けないので、価格が乱高下もせず、緩やかに上昇する傾向が何年も続いています」。

参考までに萩原さんが価格別にセレクトしてくれた一押しの3本紹介しよう。

▪️ハミルトン イギリス陸軍 W10 トノーケース

「ハミルトン イギリス陸軍 W10 トノーケース」 1973年製、SSケース、35.5mm径、手巻き。8万8000円[税込]/キュリオスキュリオ 03-6712-6933
先日、復刻モデルが出たことで話題のイギリス陸軍に採用されたハミルトンのトノーケース。こちらはイギリス陸軍に採用された時計。

裏蓋には、それを示す「W10」の刻印がある。ワンピース構造のケースと防水構造の風防ゆえ、気兼ねなく着用できる。

▪️ミネルバ ドイツ陸軍 DH ブラックミラーダイヤル

「ミネルバ ドイツ陸軍 DH ブラックミラーダイアル」 1940年代、メッキ+SSケース、34mm径、手巻き。18万円前後(実勢価格)/キュリオスキュリオ 03-6712-6933
第二次世界大戦時にドイツ陸軍に納入された通称「DH」と呼ばれるミネルバの時計。「DH」とは「Deutsche Heer」の略で、「Deutsche」は制式時計、「Heer」は陸軍を意味する。

ミラー仕上げの文字盤と真鍮にクロムメッキを施したケース(裏蓋はステンレス製)を採用。

▪️ベンラス アメリカ軍特殊部隊 タイプⅠクラスA MIL-W-50717

「ベンラス アメリカ軍特殊部隊 タイプⅠクラスA MIL-W-50717」 1974年製、SSケース、39mm径、自動巻き。50万円前後(実勢価格)/キュリオスキュリオ 03-6712-6933
1970年代にアメリカ海軍、特殊部隊で使用されたベンラスの「タイプⅠ クラスA」は、文字盤にブランドやモデル名が一切入らない超ストイックな面構えの文字盤が人気。

ヴィンテージの軍用時計ではかなり大きな部類に入るケースをはじめ、何もかもがタフで骨太な1本だ。

いずれのモデルもシンプルでありながら、堪え難いミリタリーウォッチ特有の魅力が感じられる。

「リセールを考えるなら、オリジナリティとコンディションにこだわることは絶対条件ですね。うちの場合だと、条件が整った個体であることを前提になりますが、購入価格の80%から買い取りを受け付けています」。

すなわち、価格を問わず、良質な個体を選ぶことは、リスクヘッジにも繋がるわけだ。

「古きを訪ねて、新しきを知る」という言葉のように、本物のヴィテージウォッチとの貴重な出合いは、新しい世界の扉を開いてくれるはずだ。