弱音(マフラー)フェルトの張替え

先日、新規のお客様から調律のご依頼と弱音装置の修理依頼をいただきました。

お電話でのお話では、弱音装置が使えなくなっているので、直して欲しいとのことでした。通常の場合ですと、弱音装置のフェルトの位置が高くなっていて、音が出てしまうことが、ほとんどの事例ですので、今回もそうだろうと想定してお伺いしました。その場合は弱音ペダルの左右ネジを調整したり、ペダルのガタつきをきちんとすれば直ることがほとんどです。

しかし、ピアノを開けてみると、ビックリしました!

弱音フェルトが摩耗によって中音部から高音部まで擦り切れて無くなっていました。よく弱音装置を使用される方で2~3音音が出てしまう場合は、よく使う音の部分が擦り切れて無くなっていることはあるのですが、これ程多くのフェルトが摩耗によって無くなっている事例は初めてでした。

お電話でもほとんどの音が弱音にならずに出てしまうと仰っていたので前述のような事例を想定していたのですが、まさかこれ程とは・・・!弱音フェルトもこれだけ使って頂ければ本望でしょうね。

ネズミにかじられて損傷したフェルトは何度も見たことがありますが、この破れ具合は明らかにネズミにやられたのとは違います。ハンマーと弦との摩擦で擦り切れてしまったことがよく分かりますね。

お話を聞くと、弱音ペダルを使用した状態でしかピアノを弾かないということでした。ご近所の手前、音を出すことに対してとても気を使っていらっしゃいました。一応ナイトーンのご説明もしたのですが、今回はフェルトの張替えの修理となしました。

調律も15年振りでしたので、下調律をして本調律と2回通り作業しましたよ。

真っ白なフェルトに張り替えて弾いていただくと、「弱音で弾いても音が良くなった気がする」と喜んでいただけました。

 

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