ハンマー交換

新規のお客様からピアノについてのご相談をいただき、お宅にお伺いしました。

すると、他店で中古のピアノをご購入されたのですが、最近どうも音や色々おかしいので見て欲しいとのことでしたので、ピアノを開けてみると、ハンマーがパンクしていました。

我々調律師のあいだでは、ハンマーのフェルトがハンマーウッドから剥がれてしまった状態をハンマーパンクと呼んでいます。

この様な状態です。

数年前に購入されたようなのですが、所々のハンマーは糸で縛ってあり、補修されていました。このピアノの場合、半分以上のハンマーがパンクしていましたので、これはもう全てのハンマーを交換するしかありません。

このハンマーの場合、パンクを抑えるリベットが無いタイプのハンマーでしたので、パンクしてしまったのでしょう。

その旨をお伝えすると、お客様はちょっとショックを受けていらっしゃいましたが、弊社を信用いただき、アクションをお預かりしてハンマー交換をすることになりました。

ハンマーシャンクはそのまま使い、ハンマーヘッドだけ交換するので、既存のハンマーは割ってシャンクから外していきます。

亀裂が入れば少しの力を加えるだけでハンマーがシャンクから外れます。

バキッと音がして

割れます。

ここまで割れば、少しひねるだけで外れます。

綺麗に取れました。

ハンマーの残骸が山になりました。

予め発注してあった新しいハンマーの穴とシャンクの太さを合わせる為、シャンクローラーに掛けて1つ1つ太さを調整してから、接着していきます。

まだ、これから微調整をするのですが、

綺麗に揃ったハンマーは

気持ち良いものです。

お客様のお宅にアクションをお戻ししてから、さらに調整を加えて作業終了です。

お客様にも大変喜んでいただき、「またこのピアノで楽しむことが出来ます!」とのお言葉をいただきました。

 

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グランドピアノにナイトーン

グランドピアノにナイトーンが取り付けられたピアノの調律にお伺いしました。

こちらはディアパソンのDR-300にナイトーンのNタイプが取り付けられたピアノです。

ディアパソンのこの大きさのピアノは弦が1本で張られているのが特徴です。ナイトーンの最高音部のステーの具合を調整してから、調律に取り掛かりました。

普段は床暖房をピアノの為に使用していなかったそうなのですが、今年の寒さに負けて床暖房を使用したら、やはり調律がかなりズレてしまったようです。

ピアノ用の断熱パネルもあるのでしすが、中々のお値段がしますので、皆さん悩むところですね。

調律のズレが大きかったので、2回通り調律をして何とか落ち着ける事が出来ました。ナイトーンの微調整もして、最後に確認をしていただき、作業終了です。

それにしても、ピアノの為に床暖房の使用を控えるとは、ピアノ愛に溢れるエピソードです。

 

 

 

 

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ネズミの被害にご用心

先日お伺いしたお宅のピアノがネズミの被害でかなりのダメージを受けてしまいました。

お客様からお電話で「音が出ない所や出にくい所があるから見に来て欲しい」というお電話をいただき、伺ってみるとネズミが相当やらかしてくれてました。

マフラーフェルトは無残な姿になっていました。

アクションのブライドルテープもほとんどが食いちぎられていました。

わずかに残っているものもありますが、ほぼ全滅です。

いや~ひどいですね。

食いちぎったマフラーフェルトやブライドルテープは食料にするのではなく、巣の材料にする為に集めてくるのです。

鍵盤の下には予想通り巣が残っていました。マフラーフェルトやブライドルテープに防虫剤まで集めてきて巣を形成しています。

お客さんの話では、台所でネズミの気配がしたので、ネズミ取りマットを仕掛けたら、子ネズミが数匹かかったということでした。ということは、この巣で繁殖した可能性が高いということです。

親ネズミも1匹かかったということなので、巣を除去してネズミ対策をすれば、この先被害が拡大することは無いので、その対策方法をお伝えして、マフラーとアクションは工房に持ち帰り、修理することになりました。

ネズミの被害はブログでも何度か取り上げてきましたが、今だに毎年1~2件のネズミによる修理依頼をいただきますので、皆さんもご注意ください。

何より、1年に1回は定期的に調律などのメンテナンスを欠かさず受けて頂ければ、被害は最小限で抑える事が出来ます。

今回はこの程度で済みましたが、もし気づかず3~4年放置してしまったら、もっとひどい事になっていたでしょう。ネズミが住み着くとピアノ内部で排泄もしますので、とても臭くなってしまいます。

是非皆さんには、ピアノの定期点検をお薦めいたします。

 

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ピアノ専用除湿器

先日調律にお伺いしたお宅でピアノ内部の湿気によりカビが生えていたのでお客様と相談してピアノ専用除湿器を取り付けることにしました。

よくピアノの湿気対策にピアノ用の除湿剤を入れたりもしますが、結構値段が高いので2個も入れると3000円位はしてしまいます。

こちらの器具は取り付け費は別途かかりますが、商品代金としては8500円ですので、除湿剤を入れ替える事を考えれば4~5年で元が取れてしまいます。

しかも、除湿効果はこちらの器具の方がよっぽど効きます。(あくまで私の今までの経験での私見ですが・・・)

もちろん多少の電気は使いますが20Wですので、微々たるものではないでしょうか。これを春先から秋の終わり位までつけっぱなしにしていただくと、湿気がちなお宅のピアノも非常に状態が良くなります。

これからの季節、秋雨前線の湿気により、状態を崩すピアノは毎年結構ありますので、取り付けてみるのもいいかもしれませんよ。

 

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ハンマーが折れた~!

先日お客様から「ハンマーが折れて音が出なくなったから直して欲しい」というお電話をいただき、すぐにお伺いしました。

お電話いただいた時のお話では、折れたハンマーが他のハンマーシャンクにひっかかり3~4本音が出なかったそうです。お客様自身で蓋を開けてハンマーを拾い上げて、ハンマーは手元にあるということでした。

ピアノを開けてみるとシャンクの根元で折れていたので、アクションごとお預かりして修理することにしました。

 

ハンマーシャンクが折れるということは滅多にある事では無いので、とうして折れたのかをご主人様に聞くと、お嬢さんが機嫌が悪く、怒りに任せて鍵盤をバンバン叩いていたら音が出なくなったということでした。通常は力が逃げるようにできているので、本当に何かの拍子にタイミング悪く力がかかりすぎて折れたのでしょう。

この折れたシャンク棒をハンマーとバットから綺麗に抜き取り、新しいシャンクに交換します。根元から折れたので、バットからシャンクを抜くのに少々手間がかかりました。

シャンクを抜いたら新しいシャンクの調整をして接着していきます。

綺麗に接着完了です。

これで元通りにピアノが弾けるようになりますので、お嬢さんも喜んでくれることでしょう!

 

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弱音(マフラー)フェルトの張替え

先日、新規のお客様から調律のご依頼と弱音装置の修理依頼をいただきました。

お電話でのお話では、弱音装置が使えなくなっているので、直して欲しいとのことでした。通常の場合ですと、弱音装置のフェルトの位置が高くなっていて、音が出てしまうことが、ほとんどの事例ですので、今回もそうだろうと想定してお伺いしました。その場合は弱音ペダルの左右ネジを調整したり、ペダルのガタつきをきちんとすれば直ることがほとんどです。

しかし、ピアノを開けてみると、ビックリしました!

弱音フェルトが摩耗によって中音部から高音部まで擦り切れて無くなっていました。よく弱音装置を使用される方で2~3音音が出てしまう場合は、よく使う音の部分が擦り切れて無くなっていることはあるのですが、これ程多くのフェルトが摩耗によって無くなっている事例は初めてでした。

お電話でもほとんどの音が弱音にならずに出てしまうと仰っていたので前述のような事例を想定していたのですが、まさかこれ程とは・・・!弱音フェルトもこれだけ使って頂ければ本望でしょうね。

ネズミにかじられて損傷したフェルトは何度も見たことがありますが、この破れ具合は明らかにネズミにやられたのとは違います。ハンマーと弦との摩擦で擦り切れてしまったことがよく分かりますね。

お話を聞くと、弱音ペダルを使用した状態でしかピアノを弾かないということでした。ご近所の手前、音を出すことに対してとても気を使っていらっしゃいました。一応ナイトーンのご説明もしたのですが、今回はフェルトの張替えの修理となしました。

調律も15年振りでしたので、下調律をして本調律と2回通り作業しましたよ。

真っ白なフェルトに張り替えて弾いていただくと、「弱音で弾いても音が良くなった気がする」と喜んでいただけました。

 

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